2020年06月01日

COVID-19−4「PCR」と「アビガン騒動」


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COVID-19患者数は確実に減ってきました。5月21日に大阪府で、そして5月25日には全国で「緊急事態宣言」が解除されました。今後たとえ小さな患者増の波があったとしても、中長期的にはこのまま落ち着いてくれたら良いのですが・・・・・・

最近、どうしてもCOVID-19関連文献に目がいくので、他の分野の興味深い文献がなかなか見つけにくくなってきました。そこでCOVID-19増刊号−4 の予定を定期ブログの6月1日号として割り込ませて頂くことにしました。まあ、手抜きといえば手抜きですが・・・・・・今回は話題をふたつ、「COVID-19に感染後に、いつ、どれくらいの確率でPCR検査が陽性になるか?」と「アビガン騒動」です。

COVID-19のPCR(正しくは逆転写PCR=RT-PCR)検査はSARS-CoV-2ウイルスのRNAを増幅して検出する検査です。PCRは臨床検査のひとつですので、本来は“問診や症状などから新型コロナウイルス感染の可能性が一定以上あると考えられる人”を対象として診断を確定するために実施します。しかしCOVID-19が指定感染症となっているために“とにかく診断の白黒をつける”必要があるので、今やCOVID-19診断の“黄金基準”として扱われています。そのためどのような人を対象にPCRを行うかについては、未だに専門家・非専門家が入り乱れて、やや不毛な議論が続いています。私見では、COVID-19が疑われる人(有症状者)、ウイルス曝露の可能性が高い人、病気があって高リスクとなる治療(たとえばがん化学療法など)を受ける人、入院予定の人、分娩予定の人などに優先して行うべきだと思います。無作為・可及的多数の人、できれば全住民対象というのは、検査のキャパシティや特性からみて適当ではありませんし、実現不可能です。

PCRの問題点はいろいろあるのですが、“検体採取時に感染対策が必要である”ことは措くとして、主なものは二つです。ひとつは“今日の陰性は明日の陰性を保証しない”ということ、すなわち陰性というのは“今回採取した検体にはSARS-CoV-2ウイルスの核酸(RNA)が増幅できるほど含まれていなかった”ということを示しているに過ぎません。もうひとつの問題は、PCRはウイルスに感染していない人を誤って陽性と判定することはまずないのですが(これは「特異度が極めて高い」と表現できます)、ウイルスに感染している人を陰性と判定することは、しばしばあるのです(すなわち「感度には多少問題がある」と表現できます)。

COVID-19のPCRの感度は70%くらいとされています。言い換えると感染している人のうち、PCRで陽性と判定される人は10人中7人ということを意味します。10人中3人は見落とされる(これを「偽陰性」といいます)ことになるわけです。感度70%というのは、臨床検査としては決して悪くはありません。しかも検体や機器の汚染がないのなら特異度は100%近いので、“目の前の患者さんを対象とした診断ツール”としては十分合格です。ただ指定感染症で“個々の診断のみならず、防疫のためのスクリーニングとしても使いたい”という際には、この「30%の偽陰性」は無視できません。PCR以外にもやや異なった原理に基づく核酸増幅検査や抗原検査も開発されていますが、感度でPCRを上回るところまでは至っていません。なお抗体検査は疫学的調査には有用ですが、臨床診断に用いるのには不適です。

PCRの感度を上げるには、良質の検体を採取する(綿棒で鼻咽頭ぬぐい液を採るのが一般的です)、適切に保存・運搬する、測定機器を良い状態にメンテナンスしておく、などが重要ですが、何よりも検体の中に一定量以上のウイルスが存在しないと話になりません。では新型コロナウイルスに感染してから、どれくらい経ったらPCRで検出できるのでしょうか?つい最近、ジョン・ホプキンス大学からこの問題に対するひとつの回答となる論文が発表されました(米国内科学会誌 2020年5月20日)。

著者らは7つの論文から、感染または発症からの日数が判明していて、PCRで解析された1330検体を集積し、感染または発症から何日目に、どれくらいの確率でPCR陽性になるかを検討しました。むろん個々のケースによって状況はさまざまに異なるのですが、このような個体差や地域差を踏まえて時間的・空間的相関を解析するために「階層ベイズモデル」という統計解析手法が用いられています。この手法で得られたモデルは感染して5日目に発症するのですが、感染から発症にいたる時間軸において、PCRの「偽陰性率=1−感度」が計算されています。

結果ですが、まず感染した当日の偽陰性率は100%です。すなわち感染当日はPCR陽性にはなりません。ウイルスが増殖する時間がないから当然の結果といえます。感染2日目も陰性のままで、3日目ではわずかながら陽性になる人もあるのですが、平均値でみると依然として偽陰性率はほぼ100%です。感染4日目(発症前日)では、偽陰性率は67%まで低下します。すなわち3人のうち1人が陽性になります。発症日(感染5日目)の偽陰性率は38%ですので、おおむね10人中6人が陽性になります。そしてPCR陽性率は発症後72-96時間で最大となり約80%まで上昇(偽陰性率でいえば20%まで低下)しますが、その後陽性率は徐々に低下し、発症15日後には発症前日とほぼ同レベルになります。

この結果をみると、巷間言われている“PCRの感度70%”というのは、ほぼ正しいと考えてもよさそうです。ただし感染源に曝露した当日の検査はほとんど意味がなく、発症前の検査は陽性率が低く、発症当日も多少低い、ということになります。しかしながらCOVID-19では、発症直前も直後に負けず劣らず感染性が強いとする台湾の報告(米国医師会雑誌・内科学 2020年5月1日)もあるので、発症前のPCRの感度については、もう少しデータの集積が必要かも知れません。

次の話題は臨床試験中のアビガンです。ネット記事によると、アビガン研究開発代表者の湯澤由紀夫藤田医大病院長が5月20日に臨時オンライン記者会見を開き、「国の承認審査にデータが活用できると期待された臨床研究でアビガンの明確な有効性は示されなかった」とした同日の共同通信社の記事に対して「誤解を招きかねない表現」として強い懸念を示しました。またブルームバーグによる“藤田医大のグループが安倍首相の発言に批判的なコメントをしたかのような事実無根の記事”に強く抗議したことを明らかにしました。

藤田医大のアビガンの臨床研究(研究責任医師 藤田医大土井洋平教授)は、国立保健医療科学院の「臨床研究実施計画・研究概要公開システム」で誰でもみることができます。研究のデザインは、RT-PCR法で新型コロナウイルス陽性が確認された“無症状または軽症の(少なくとも歩行や家事はふつうにできる)人”が対象で、@試験開始後直ちにアビガン服用を開始し、10日間服用、A試験開始から6日目〜15日目までアビガンを服用する、という二つのグループに分け、試験開始6日目にRT-PCRを行って、主評価項目としてウイルス消失率、副評価項目としてウイルス90%減少率を比較する、というものです。今回問題になった共同通信の記事は「中間解析で効果が認められなかった」ともとれる内容だったので、藤田医大が強く異議を唱えたのです。

中間解析(intern analysis)は文字通りあくまで中間的なものです。中間解析を行う主な目的は、“臨床試験被験者の安全確保・権利の保護”です。従って主たる評価対象は、「臨床試験を継続するにあたって、問題となる副作用はないか」ということになります。ただし稀ながら “被験薬に圧倒的な効果がある”または“被験薬に全く効果がなく害の方が大きい”ことが明らかになっていれば、この時点で臨床試験中止、ということもないではありません。アビガンの場合も、対象患者数の予定は84例で、今回@20例+A20例=合計40例の段階での中間報告(解析は藤田医大グループから独立した評価委員会が行います)を実施、問題となる大きな副作用もなく、引き続き臨床試験継続となったようです。ただし最終的な結果の解析にはもう少し時間を要するので、安倍首相が以前に言及していた5月中の認可は無理ですけど・・・・・・

私も最近やっと“大人の知恵”がついてきたので、多少なりとも今回の出来事の“裏読み”もできそうな気がします。だいたい「中間解析」のような専門的な臨床試験用語の意義が正しくマスメディアに伝わると思う方がどうかしています。またわざわざ中間解析を発表する必要もなく(試験中止なら発表しないといけませんが)、どうしても発表するなら、「中間解析の時点で、臨床試験に影響するような副作用は確認されず、予定通り試験を継続」で済む話です。

“大人になった私”は、誰かが共同通信社に「中間解析の時点では、アビガンの有効性は確認されなかったようですよ(この言い方は明らかにミス・リーディングではありますが、完全にフェイクとも言えません)」という情報を流したのではないかと疑っています。またブルームバーグは米国の大手情報サービスの会社だそうです。だとすればここからの情報発信は米国または顧客のために行われると考えてしまいます。何か意図があるのでは、と思うのです(株価とか動きそうだし)。いずれにしろCOVID-19の治療薬に関する情報は、政治やイデオロギー、そしてマネーゲームのフィルターがかかっているのかも知れません。もっともっと大人にならなければ・・・・・・

エビデンスのない陰謀論はこの辺でおしまいにします。まじめな話に戻りますが、上記のアビガンの臨床試験のハードルはそれほど低くはなさそうです。COVID-19の臨床像から考えて、重篤になってからではどんな薬剤も効きそうではありません。ですから軽症のうちに投与、というのは理にかなってはいますが、そうなれば“80%は自然に治る”という特徴がネックになります。薬剤の効果をきれいに証明するのは簡単ではありません。そのためにPCRによるウイルスの消失(主)またはウイルス量90%の減少(副)を有効性の判定指標としているのですが、PCRにそれほど精密な定量性があるのかな?という疑問もあります。「だったらどうしたら良いのだ!」と言われても良い代案があるわけじゃないのだけど・・・・・・まあ、最終結果を待ちたいと思います。

おまけ情報を少し。トランプ大統領イチオシの抗マラリア剤「ヒドロキシクロロキン」はごく最近の論文ではCOVID-19に対する有効性は疑わしくなっており、むしろ副作用による死亡率上昇!という情報も(ランセット誌 2020年5月)・・・・・・日本の症例報告では有効と思わせる論文もあるのですが、製薬会社であるサノフィ日本法人も不整脈の副作用などについて注意喚起をしているので、今後の使用はかなり難しくなりそうです。

一方、2015年ノーベル賞医学生理学賞に輝いた大村智教授が発見された抗寄生虫病薬のイベルメクチン(商品名ストロメクトール)がCOVID-19の治療薬として有望視されてきています。豪州からの報告では、培養細胞を用いた実験で新型コロナウイルス増殖を強く抑制し(アンチ・バイラル・リサーチ 2020年6月掲載予定)、ユタ大学の報告では、実際に臨床症例に対しても常用量投与で明らかな致死率の低下がみられた(ソーシャル・サイエンス・リサーチ・ネットワーク 2020年4月号)とのことです。日本でも北里大学が臨床試験を開始するようです。この薬は数十年の歴史があり、既に何億人という人に投与されているので、安全性は極めて高いといえます。

幸いCOVID-19は減ってきています。しかしそれ故にある程度の症例数が必要な臨床試験の実施は難しくなってくるかも知れません。でも、まもなく来るかも知れない第二波、第三波のためにも、今後の長い歴史で人類の敵として立ちふさがるかも知れない新型コロナウイルスに対する備えとしても、今の間に有効な薬剤を軸とした治療戦略を確立しておきたいところです。




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2020年05月15日

ここ百数十年、平熱が下がり続けている?!

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あなたの平熱はどれくらいですか? 言い方を変えたら、何℃を超えたら“微熱”があると思いますか? 一般的には「37℃以上は微熱」と考える人が多いのではないでしょうか。もっとも、「私は平熱が低いから、36.7℃でも、微熱なのです」と訴える方も少なくないのですが・・・・・・平熱の範囲や微熱の定義は、実ははっきり決まっているわけではありません。

おそらく世界で最も有名な内科学のテキストである「ハリソン内科学 18版(最新版ではないですが)」には、平熱について、“18歳から40歳の人の健康成人を対象にして口腔内体温を測定すると36.8±0.4℃、正常上限値は朝6時で37.2℃、夕方4時で37.7℃であった”と記載しています。口腔内計測は、日本でよく用いられる腋窩(腋の下)での計測より0.4℃ほど高いので、このデータを信用すれば腋窩でも37.3℃くらいまでは微熱あり、とはいえないということになります。実際、このあたりを正常上限とするテキストの記載や臨床研究も少なくありません。

従来、欧米では正常体温は平均37℃(腋窩測定;36.2〜37.5℃)とする説が有力でした。これは1851年にドイツの医師、カール・ラインホルト・アウグスト・ヴィンダーリッヒ先生(重厚な名前ですね〜)が発表した約25,000人のライプツイッヒの患者さんからのデータに基づくとのことです。この基準、「高すぎるのではないかな〜」と言うのが率直な感想です。自分の経験は、37℃超えるとしんどいので(37℃超えの数字をみただけでしんどくなるタイプです)・・・・・・

そう思うのは私だけではないようです。最近の35,488人(平均52.9歳、女性64%、非白人41%)で243,506回測定した米国からの論文(英国医師会雑誌 2017)では、平均体温は36.6℃(35.7〜37.3℃;95%範囲)と報告されています。他にも類似の報告もいくつかあり、そこで「これは、ここ百数十年でヒトの体温は下がっているのではないか」との仮説を立てて検証した論文が現れました(イーライフ eLife誌 2020;生命保険か通販みたいな名前ですが、けっこう引用されている立派なon lineの学術誌です)。

米国のスタンフォード大学のグループは、時代の異なる三つの体温に関するデータ・ベースを調べて比較しました。ひとつはCivil War(南北戦争 1861-1865;ご存じ「風とともに去りぬ」の時代です)に関わった現役・退役軍人のデータ(23,710人;1860-1940)、二つ目は米国国民健康栄養調査のデータ(15,301人;1971-1975)、三つ目はスタンフォード大学のデータ(150,280人;2007-2017)で、分析した体温測定の記録総数は677,423件でした。

さて、結果ですが、性別、年齢、身長、体重などなど、さまざまな因子で補正すると、たとえば2000年代に生まれた男性は1800年代に生まれた男性より平均体温は0.59℃低く、2000年代に生まれた女性は1890年代に生まれた女性より平均体温は0.32℃低いことがわかりました。全体を通してみると、ここ157年間で10年遅く生まれる毎に、平均体温は0.03℃低下していることが明らかになったのです。

ではこれは何を意味しているか、ということですが、体温に重要な影響を与える二大因子として、体内のエネルギー産生=「代謝」と体の恒常性を維持する免疫機構の発動としての「炎症」の二つの要因を挙げることができます。確かにここ百数十年、一般論で言えば私たちを取り巻く衛生や居住環境は良くなりました。かつて炎症に深く関わった結核やマラリアなどの感染症も抑え込むことができるようになりました。事実、19世紀の半ばでは人口の3%が活動性結核であったと報告されています(プロス・ワン誌 2011)。また最近の動向をみても、さまざまな用途で有効な抗炎症剤が使われるようになり、ここ10年で最も普遍的な炎症マーカーである血液中のCRPの平均値が5%ほど下がっているとする論文もあります(米国疫学雑誌 2013)。

あれやこれやの理由で、少なくとも先進国エリアでは平均体温は下がっているようです。これは寿命が延びていることと、同じ現象を違う角度から見ているのかも知れません。これを“文明の勝利”として「コングラチュレーションズ!」で済ますのは楽観的過ぎるでしょう。“人類の炎症レベルは下がっている”かも知れませんが、動脈硬化が進んでいる人では炎症レベルが上昇していて、病気の進展に関わっているとされています(米国心臓病協会誌 2018)。やはり問題とすべきは“それぞれの体温”、“自分の体温”なのです。

先に紹介した2017の英国医師会雑誌の論文によれば、高齢者は比較的低体温なのだけど、持病にも影響を受けて、たとえば甲状腺機能低下症では低体温になるし、がんや肥満では高体温になりがちです。とはいえ、これらの病気は体温の変動の8.2%を説明できるに過ぎないようです。しかし驚くべきことに、すべての関連因子で補正しても、0.149℃の体温上昇が年間死亡率8.4%の上昇に関連している、との結果がでています。微熱もバカにできません。やはり体温は毎日測りましょう!

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2020年05月01日

噛めば噛むほど認知症予防・・・・・・


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皆さんは食事時にしっかり噛むほうですか?私は医師になって間もない頃は食事時間が惜しい気がして、ずいぶん食べるのが早くなりました。そのために噛むのもいい加減になって、今も続いているような・・・・・・しかし噛む、すなわち咀嚼という行動は大事です。摂食・消化・吸収に重要な役割を果たすばかりではなく、どうやら脳にも好影響をもたらせてくれるようです。

以前から咀嚼によって脳血流が増加することは知られていたのですが、その詳細な機序については明らかではありませんでした。このテーマについて、昨年末に東京都健康長寿医療センターのグループが「脳血流と代謝誌(BMC出版)12月25日 2019」に興味深い論文を発表しました。

著者らが明らかにした脳内メカニズムは次のようなものでした。咀嚼すると脳の奥まった場所にあるマイネルト基底核という神経細胞が活性化します。マイネルト神経核からは神経線維が広範囲の大脳皮質に放射されていて、それを介する信号によって大脳皮質の血流量が大きく増加します。マイネルト神経核はアルツハイマー型認知症で脱落することが知られていて、認知機能に重要な役割を果たしていると考えられています。すなわちこの部位の活性化によって脳血流が増加するという現象からみて、咀嚼が認知機能の維持・認知症の予防に役立つことが期待できるというのです。

この研究の面白いところは、咀嚼によって脳血流が増えると言っても、必ずしも咀嚼筋を動かす必要はない、ということを示したことです。著者らはラットを用いた実験系でいろいろな工夫を加えて、この現象の機序の解明に迫っています。印象深いのは、咀嚼筋自体は動かない状態にしておいて大脳皮質の咀嚼中枢を刺激してみると、普通の咀嚼と同様にマイネルト神経核が活性化し、脳血流が増加することが分かりました。これをヒトに例えると、「しっかり噛むぞ!」と思っただけで脳血流が増加する、ということになります。

なぜ咀嚼が脳に良いのか、についてはひとつのヒントがあります。この研究グループは以前から歩行が同様に脳血流を増加させることを報告してきました(自律神経科学誌 エルゼビア出版 2003、日本老年医学会英文誌 2010)。これがどれくらい認知機能にとって役立つかについては、実際に高齢者を対象とした疫学的なデータがあります。東北大学のグループはしっかり歩く高齢者はそうでない高齢者に比較して認知症のリスクが30%近く低くなる、という結果を発表しています(年齢と老化誌 オックスフォード出版 2017)。東京都健康長寿医療センターのグループは歩行や咀嚼などの“リズミカルな運動”がマイネルト神経を刺激して、この神経核を経由した脳血流増加が起こると考えているようです。

ここでちょっと思いつきました。咀嚼も歩行も、マイネルト神経核を刺激して脳血流を増やすことができます。そしてそれは認知機能に良い影響を与える可能性があります。だったら咀嚼と歩行を組み合わせて、“歩きながら物を食べる”のが、最も効率良く認知機能を鍛えることができるのでないか・・・・・・でもやはりこれは“行儀が悪い”“不作法”“迷惑”“品が無い”などという批判の嵐を覚悟しないといけませんね。最近の言葉で言うと、“炎上する”というやつです。これは困ります。ましてや私はどちらかと言えば品格で勝負するタイプですので、さすがにこれは実行しづらいし、お勧めできません。

でも心配いりません。今回紹介した論文には “何も咀嚼筋を動かさなくても良い。咀嚼中枢が活性化する=咀嚼すると思うだけで脳血流が増える”と書いてあります。これが事実なら、“歩きながらしっかり噛む”というイメージ・トレーニングを行うだけで効果が上がるかも知れません。いくらなんでもちょっと話がうますぎる気はするのですが・・・・・・それにイメージ・トレーニングだけでは、歩行という運動の効果も得られないし、噛まずにいると消化・吸収はどうするのだ、ということになります。

やはりここは、めんどうがらずに、1日10,000歩目指して、しっかり歩くとともに、朝・昼・晩(あるいは+間食)食べるときには、しっかり噛みましょう!
しかもリズミカルに・・・・・・そうすれば体も顎も鍛えられ、消化吸収も良くなり、おまけに認知機能も保たれて、「健康ジジ・ババ」への道が開けるかも知れませんよ。



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