2015年02月15日

予期しない体重減少

片桐先生1.jpg
 ふぅ〜もうちょっとで死んじゃうところだったな〜
 あっ、小西ホームの片桐です。市立豊中病院で病院長やっていたのですが、一昨年5月に病気になって退職・・とてもヒマになってしまいました。辞める1年ほど前から病院ホームページ閲覧数増加を目指して病院長ブログを連載開始、すると閲覧数大幅増!・・と喜んでいたのですが、100回を超えたところで、あえなく連載中止・・そこで21期のホームページにブログ風のエッセイを連載させてもらうことにしました。気が向いたら読んでくださいね。

題材はやっぱり医学系から選びます・・どうせ他の分野では信用ないだろうし・・もっとも病気してから医学系でも信用が危うくなっているのですけど。

第1回は「予期しない体重減少」のお話です。実は自分の病気に気付いた契機がこれです。予期しない(本意ではない)体重減少 unintentional (involuntary) weight lossというのは患者さんの訴えとして重要視されるもののひとつです。○○ダイエットとかラ○ザ○プとか何も努力していないのに体重が減少する、という状況ですね。「一度で良いからそうなってみたい・・」と思われる方、体重を減らすには努力あるのみ、です・・

私の場合について言えば、高校時代52s、大学卒業時54s、その後は順調に増加して病気直前は63sもありました。ところが昨年5月連休明けにたまたま測ってみると60.8s・・「おっ、少し減った。ちょうどいいかな〜」と能天気にかまえていたのですが、1週間後に複数の職員から「最近痩せてきていません?」と言われて再検、なんと58.8s、そういえば頬もこけてきているような・・この時点で頭の中で非常事態のアラームがなり、急いで検査を進めたら「がび〜ん」となる検査結果続出、即入院・手術となった次第です。

予期しない体重減少についてはいくつかの研究があります。原因究明を行うべき体重減少のレベルは1年間でベースラインより4〜5%以上とされています。原因については論文によって多少のばらつきはあるのですが、原因として一番多いのは「うつ状態」でおおむね6人に1人、僅差で第2位は「がん」でやはりほぼ6人に1人、次に良性の消化器病・・と続きます。またいくら検査しても体重減少の原因が見つからない人も4人に1人位います。

同じ体重減少でも急速に起こる時は厳重注意が必要です。1か月で5%以上減少する場合、ほとんどで「がん」をはじめとする身体疾患が見つかります。やはり健康管理のためには時々体重を測ってくださいね。えっ、体重計なんか見たくもないって?!
いえいえ、体重計は敵ではありません。あなたを守る大事な味方ですよ。

(イラスト S.Yamamotoさん)

posted by みみずく at 10:00| 2015年